カイガラムシは難敵!
カイガラムシはとても駆除の難しい害虫です。
色々やってみたものの除去しきれず樹木がどんどん衰退していってしまった、という経験をした方もいることでしょう。
では、カイガラムシとの戦いに勝利するためにはどうすればいいでしょうか。
まずは、カイガラムシについて少しご説明しましょう。
カイガラムシの生態
カイガラムシはカメムシのグループに属する昆虫です。樹木に寄生し樹液を吸汁します。
日本には400種類いて、成虫になると一箇所にとどまり全く動かなくなるものと、成虫になっても動くものがいます。
動かなくなるタイプのカイガラムシは、身を守るため体を固いろうのようなもので覆うため、殺虫剤を散布してもほとんど効果が出ません。
繁殖は種類によって一年に1回〜4回、時期は温暖な5-7月が最も多いと言われています。
また、カイガラムシの排泄物にはすす病がつくため、発生したカイガラムシの周囲がすすで覆われたように真っ黒になり、特に葉が覆われると光合成ができなくなるため、樹勢が弱ります。
では、どのように駆除できるでしょうか。
カイガラムシの成長サイクルと駆除
カイガラムシの駆除の方法は大きく分けると3つです。
1.卵を産卵させない、孵化させない
2.孵化したての固い殻に覆われる前の幼虫を殺す
3.成虫を殺す
もちろん、1や2で駆除ができればベストですが、一般家庭では成虫になったものを見て発生に気付く事が多いと思うので、まずは成虫を殺す方法について考えましょう。
成虫を倒したあとに、その後1や2ができる方法について検討できます。
カイガラムシに効く3つの駆除方法
1.手で取り除く
最も原始的な方法ですが、最も効果的な方法でもあります。
冒頭で述べたように一度成虫になると殺虫剤がなかなか効かないため、手で、または歯ブラシで、水を入れた高圧の殺虫剤散布機で削り落とします。
削り落としたカイガラムシは、時期によっては落ちたところで産卵をするかもしれないため、そのままにせず処分しましょう。
2.マシン油を散布する
カイガラムシの駆除で最も知られている方法です。
マシン油を散布することでカイガラムシを油の層で覆い窒息死させます。
ただし、油の層は樹木の葉にも付き、葉の呼吸を阻害し樹木を弱らせてしまうリスクがあるため、樹木の休眠期である冬場のみの使用が推奨されています。
3.一年中使用できるエアゾール剤を使う
このエアゾール剤は2種類の異なった効果がある成分を含んでいます。
1つ目は吹きかけることで殺虫効果があります。
2つ目は散布されたものが樹木に吸収されて、その成分が樹液を吸うカイガラムシの口から入ることで殺虫効果(浸透移行性)があります。この効果は約1ヶ月持続するので、その後卵から返って樹木に寄生しようとしたカイガラムシも倒すことがてきます。
手間もいらず、一年中使用できるため、カイガラムシに悩まされていた方にとって一度試す価値のある方法です。
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予防の方法
カイガラムシを一度駆除できたなら、その後は予防を心がけましょう。
5-7月の繁殖期に、月に2回を目安に一般的な殺虫剤を散布することで、カイガラムシが硬い殻に覆われる前に駆除できます。
樹木の健康を保つため、できるだけ定期的に虫や病気がついていないかチェックしてあげてください。