ペットのいるお宅で大きな悩みの一つは庭の除草問題でしょう。
春から夏にかけて、草がどんどん出てきます。
忙しいとなかなか手がつかず、あっという間に草がボーボーになってしまう経験があることでしょう。
そんな時に除草剤を使うことを検討したことがありますか?
「でもペットがいると心配で除草剤は使えないし、どうすればいいんだろう。」
今回はそんなお悩みにお答えしたいと思います。
ペットに危険な除草剤成分にはどんなものがありますか?
除草剤以外で除草効果のあるものはありますか?
ペットに無害な除草剤はあるのでしょうか?
一つずつ お答えしていきましょう。
1. ペットに危険な除草剤成分とは
日本中毒学会によると 国内における犬に中毒をもたらす除草剤成分の1位はグリホサート、2位はパラコートとなっています。
①グリホサート
グリホサートは最も広く除草剤に使用される成分です。グリホサートには粘膜刺激及び消化管刺激作用があり、下痢、嘔吐、咽頭部の炎症などの症状が出ます。摂取量によっては、循環器、呼吸器、消化器、泌尿器に症状が生じ、ショック状態による死亡例もあります。
グリホサートを成分とする除草剤の主な商品…ラウンドアップ、サンフーロン、ネコソギなど
②パラコート
パラコートは畑や水田果樹園などに散布するケースの多い除草剤の成分です。この成分は消化管や皮膚、気道から体内に吸収されて中毒症状を引き起こします。嘔吐、全身倦怠感から始まり、下痢、腹痛、腎機能及び肝機能障害が生じ、死に至る場合があります。
パラコートを成分とする除草剤の主な商品名…プリグロックスなど
ペットを飼っている家庭で除草剤を使用する場合、成分にグリホサート及びパラコートが含まれるものを避けてください。 特にホームセンターなどで販売されている除草剤に含まれる成分として一般的なのは グリホサートです。是非、成分表をチェックしてください。
続いて、除草剤に替えて使用することのできるもの、ペットがいても大丈夫な除草剤に注目しましょう。
2. 除草剤に替えて使用できるもの
①酢
酢の主成分である酢酸は、植物の細胞を攻撃し、水分を奪うことができるため、雑草に対する除草効果があるとされています。
散布方法…食用酢(一般的に酢酸濃度が5%程度で丁度良いです)を希釈せずにスプレーボトルに入れ、展着剤として中性洗剤を小さじ一杯追加します。その後、 枯らしたい雑草にたっぷりと噴射しましょう。
ミツカン 特濃酢 1.8L お酢 業務用
②重曹
重曹が除草効果を持つ主な理由は、そのアルカリ性と乾燥効果にあります。重曹はアルカリ性のため、雑草の細胞構造に影響を与えます。
また、重曹が雑草に付着すると、水分を吸い取ります。これにより、雑草の細胞が乾燥し、生育が妨げられます。
散布方法…重曹を除草に使用するためには、重曹を水に溶かすのが効果的です。 濃度を5~10%程度に薄めた水をスプレーボトルに入れ、雑草に直接かけます。
NICHIGA(ニチガ) 国産重曹 1kg
③熱湯
熱いお湯を雑草に注ぐと、雑草の細胞構造が急速に加熱され、損傷を受けます。これにより、雑草がしおれたり枯れたりすることが期待できます。
ただし、効果が出るまでに数日かかることがあります。
散布方法…沸騰したお湯を雑草の上にゆっくりと注ぎます。できるだけ雑草全体に均等にお湯がかかるようにしましょう。
酢や重曹は一度に広い範囲に散布することが可能ですが、熱湯は何度も沸かす必要があるため、広範囲に散布するには不向きです。広範囲に散布する場合は酢か重曹を使用しましょう。